プレスリリース・お知らせ

Phoenix 1.4では、Phoenix NLMEはバージョン1.3となっています。

Phoenix NLMEの有効なライセンスをご契約中のお客様は、無償でバージョンアップ頂けます。 Phoenix 1.4のインストール手順はこちらから確認頂けます。

 

Phoenix NLME 1.3において、新しく追加されたツール・機能の概要を以下のページでまとめています。

ただし、本文はリリースノートの抄訳となりますので、詳細は英文リリースノートを参照して確認しててください。また、バージョン1.3で修正されたバグや問題、現在確認されているバグの内容を確認する場合も、同英文を参照して下さい。

また、Pheonix NLME 1.3で利用できるその他の機能に関する情報は以下のリンクから参照頂けます。

  • Phoenix Framework
  • Phoenix Data Tools and Plots

 

What's new in Phoenix NLME 1.3

 

新しいテキストエディタ (QC 12980, 13940):

Phoenixの各アプリケーションに新しいテキストエディタが実装されています。 基本的なテキストエディタのオプション(例: コードエディタの行番号、折り返し、置換、行へ移動)が右クリックから利用できます。 

さらに、新しいコードエディタがNLMEオブジェクト(Phoenix Model)に実装され、ユーザーはより柔軟にPMLステートメントを記述することができます。 例として、丸括弧、もしくは波括弧文字などに関して、コードエディタは対応する始点と終点の記述をハイライトで示します。 さらに、マウスポインタを各ファンクション上に移動すると、そのファンクションの説明を表示します。

 

NLMEの実行ファイルが共有ライブラリにリファクタリングされています。 (QC 13871):

NLMEの実行ファイルがPhoenix 1.3における以下のディレクトリから移動しています:

C:\Program Files (x86)\Pharsight\Phoenix\application\Plugins\DrugModelEffects\Executables

Phoenix 1.4では、以下の新しいディレクトに移動しています。

C:\Program Files (x86)\Pharsight\Phoenix\application\lib\NLME\Executables

この変更によって、ユーザーが記述したコマンドラインのファイルを変更する必要があります。 それらのファイルの修復には、以下の情報を参考にしてください。

まず、以下のフォルダにある演習用のファイル「RunNLME.bat」および「RunNLMEMPI.bat」を参照して下さい。

C:\Program Files (x86)\Pharsight\Phoenix\application\Examples\NLME Command Line\Model 1

ユーザーはそのファイルに従って、独自に記述したコマンドラインファイルを更新する必要があります。

修復の際には、以下の点に注意して下さい。

  • 演習用のファイルはハードコードされたディレクトリを使用しているため、環境変数は使用しません。
  • NLMEの実行ファイルである「tdl4.exe」の位置は以下のディレクトリに変更されています:
    C:\Program Files (x86)\Pharsight\Phoenix\application\lib\NLME\Executables
  • 「performNLMEbuildgnu.bat」および「performNLMEbuildgnumpi.bat」ファイルは除外され、本バージョンでは必要ありません。
  • PML用のライセンスファイル「lservrc」は新しいディレクトリに保存する必要があります。
    C:\Program Files (x86)\Pharsight\Phoenix\application\lib\NLME\Executables

 

Engines

NLMEは、Phoenix 1.4から動的メモリ確保を採用しています。 (QC 10612):

Phoenix NLMEの従来のバージョンでは、アレイ(データ構造)には静的な制限が設定されていました。 (例えば、被験者あたりの観測値の総数、などです。) Phoenix 1.4では、動的メモリ確保の採用によって、これらの制限の大半が解除され、データやモデルは必要な量だけメモリを利用することができます。したがって、パフォーマンスは劇的に改善され、未使用領域はメモリ内に保持されません。 一般的な解析における全体的なメモリ使用量は、以前の静的メモリ確保の場合よりも劇的に減少します。

 

QRPEMエンジンを選択してNLMEを実行した場合、収束する前に途中で停止することができます。 (QC 11263):

QRPEMエンジンの新しいオプションを使用することで、既に適切な解が得られているとユーザーが判断した場合、実行の途中でも計算を停止することができます。このオプションを使用しない場合は、反復計算の上限回数まで解析が実行されるか、収束の基準が満たされるまで解析が継続されます。

 

共変量探索における共変量効果の制限数が解除されています。 (QC 11901, 13883):

共変量探索における共変量効果の制限数が解除されています。 

従来の共変量探索における共変量効果の数を32個に制限する設定が解除されたのに伴って、固定効果の構文に新しい記述を追加する必要がある場合があります。:

(enable=c(n))

nは正の数字もしくはゼロであり、コマンドラインの場合は、以下の記述を追加します。

/xe _n_n_n_…

それぞれのnは、上記と同様の数字です。

例えば、/xe _0_942_15_という記述の場合は、以下の記述を含む固定効果が共変量探索に含められます: (enable=c(0))、(enable=c(942))、および(enable=c(15))。 nに入る数値は非負の整数です。固定効果を無効化するには、コマンドラインで使われていない数値を割り当てる必要があります。コマンドラインの引数で/e -1と記述する場合、全ての共変量効果が含められます。コマンドラインに/eもしくは/xeの引数が記述されていない場合、enable()の記述を含む全ての固定効果が無効化されます。

 

QRPEMエンジンによる解析に時期変動を含めることができます。 (QC 11993):

QRPEMアルゴリズムの一部が修正された結果、時期変動型共変量をモデルに追加し、異なる時期における異なるランダム効果を共通するOmegaの値に紐付ける一般的な構造(つまり、他のエンジンで記述される一般的な構造です。)を用いることで、時期変動を説明することができます。 例えば、以下のようにシンプルなEmaxモデルにおいて、ベースラインパラメーターのE0に時期変動mを考慮した場合でも、QRPEMエンジンを適用し、適切に実行することができます。

ranef(
diag(nE0, nEMAX, nED50) = c(.25, .25, .25)
diag(nE0occ1)=c(.1)
same(nE0occ2)
same(nE0occ3)
same(nE0occ4)
)
stparm(
E0 = tvE0 * exp(nE0 + (OCC==1)*nE0occ1 + (OCC==2)*nE0occ2 + (OCC==3)*nE0occ3 + (OCC==4)*nE0occ4 )
EMAX = tvEMAX * exp(nEMAX)
ED50 = tvED50 * exp(nED50)

 

Phoenix Modelの出力結果に含まれるDmp.txtの内容が改善されています。 (QC 12058, 12212, 13875):

  • dmp.txtのファイルをRの「source」関数を用いて、読み込むことができます。
  • 次のフィールドが新たにdmp.txtに追加されています: PMLコード、 Return code、 Variance-covariance matrix、 Residuals、Correlation、Inverse、IDテーブル、および共変量や二次パラメーターの中心値。
  • Etaのセクションが追加され、それぞれのEtaの平均、分散、標準偏差、Shrinkageが出力されます。

 

QRPEMエンジンによる再解析に直前の実行で得られた事後平均と共分散を適用させるオプションの追加 (QC 12139):

Phoenix ModelオブジェクトにおいてQRPEMエンジンを選択して、Run Optionsタブに設置されたAdvancedオプションを展開すると、直前の実行で得られた事後分布を適用するオプション(Use previous posteriors)を選択することができます。このオプションを選択すると、モデルは直前の実行時に保存された事後分布およびEtaの平均値を用いて、新しい解析を開始します。

 

Naïve pooled法を選択した場合、Epsパラメーターの下限値に適切な値を設定します。 (QC 12187):

Phoenix 1.3 (Phoenix NLME 1.2)やそれ以前のバージョンでは、Naive pooled法において設定されるEpsパラメーターの下限値は適切ではありませんでした。バージョン1.3までは1e-3でしたが、本バージョンでは0に設定されています。

 

BQLモデルに対してWRESやCWRESのようなデータを含む残差テーブルが出力されます。 (QC 12257):

BQLモデルにおける全ての非BQLデータの残差の情報が残差テーブルに追加されます。

 

事後の周辺化を適切に処理する新しいバーンインオプションの追加 (QC 12402):

QRPEMエンジンを選択した場合、事後の周辺化を適切に処理するためにOmegaを固定する一方で、Thetaを固定しない状態でバーンインを実行するオプションを選択することができます。

 

「Multi」ステートメントが追加されます。 (QC 12456):

新しい順序データ解析のステートメントが追加されます:

ordinal(Y, ilogit, x, b, a0, a1, …)

上記のステートメントは以下の様なSAS PROC LOGISTICと同様に振るまいます。

P(X <= i) = ilogit( x*b + ai )

xは説明変数であり、bは傾きを示し、aiはそれぞれ切片を示します。初期状態におけるYは0になります。

 

MAP法が重点サンプリングにおける分散共分散行列の初期値を算出する新しい方法として採用されます。 (QC 12459):

ガウスモデルにおいて、分散共分散行列の初期値算出の方法が準ニュートン法の曲面近似からMAPにおけるヘシアン行列、およびヘシアン行列のFOCE近似に変更されます。この変更によって初期の事後分布に差異はみられませんが、MAP Assistオプションが指定された場合、その処理が反復ごとに実行されるため、FOCE法はより安定な手法になります。

 

Owen's defensive mixture samplingのオプションが選択できます。 (QC 12868):

2および3要素のOwen's defensive mixture samplingのオプション(mixture 2およびmixture 3)がQRPEMエンジンに適用する重点サンプリング分布として選択できます。

 

MAPとNaive Pooledを組み合わせた反復法を、固定効果の初期値を改善させる手法として選択することができます。 (QC 12870):

固定効果の初期値を改善させる新しいオプションであるMAP-NP (「MAP-Naïve Pooled」)をRun Optionsタブで選択することができます。Naive Pooledを除く全てのエンジンで選択することができます。 このオプションが選択される場合、MAPによるEta推定とNaive Pooled法を組み合わせることで、選択したモデル解析エンジンを適用する前に固定効果の初期値を改善することができます。

 

Eventステートメントにおける打ち切りオプションとして、Holford & Poissonに基づく異なる形式を選択することができます。 (QC 13199):

Eventステートメントの打ち切りオプションが拡張されています。 このオプションでは、観測値は次のような定義に基づきます: 1 = 先行して何も発生せず、観測時間において発生、 0 = 直前の時間間隔で何のイベントも発生しない(右側打ち切り)、2 = 直前の時間間隔で1回以上のイベントが発生(左側打ち切り)、 -N = 直前の時間間隔でN回のイベントが発生(ポアソンカウントモデルの同義)、 -999999 = 直前の時間間隔における情報が欠損。

 

LLステートメントにおいて、「simulate」のオプションが追加されています。 (QC 13454):

LLステートメントに「simulate」オプションが追加されます。ユーザーがLLステートメントに任意のコードを記述すると、シミュレーションの際にそのコードが実行され、観測値をシミュレーションすることができます。

 

プロビット関数がPMLの組み込み関数として追加されます。 (QC 13578):

プロビット関数(N(0,1)の正規分布累積関数の逆関数)がPMLの関数として記述することができます。

 

QRPEMエンジンに周期的にMAPを更新する機能が追加されます。 (QC 13731):

周期的なMAPの更新オプションが、Run OptionsタブにおいてQRPEMエンジンを指定した際のAdvancedオプションにて指定することができます。 そのオプションが指定された場合、MAPの更新を実行する周期を入力するフィールドが表示されます。

 

User Interface

Thetaの相関行列が出力結果に追加されます。 (QC 8647):

NLMEの出力結果にThetaCorrelationワークシートが追加されます。


ビルトインモデルのモデル設定タブにSequential PK/PDという新しいオプションが追加されます。 (QC 8847):

Sequential PK/PDオプションが指定される場合、モデルのPK部分は固定され、対応するランダム効果を共変量としてモデルに追加することができます。PKパラメーターは各被験者の事後推定値に固定されます。

 

FOCE-ELSやLaplacianエンジンを選択してモデルを実行した場合、Ctrl-Kを押すかStop Earlyボタンをクリックすることで、解析を途中停止することができます。 (QC 12001):

解析実行中に表示されるStatusウィンドウにStop Earlyボタンが追加されます。 このボタンをクリックすると、その時点における反復計算の終了後に解析を停止します。出力結果には、その反復計算時点における解析結果が表示されます。Return Code = 6は、この機能を使用した場合に表示されます。

 

ビルトインおよびグラフィカルモデルの設定画面に絶対誤差と比例誤差の混合誤差モデルを表す2種類のSigmaを含んだ誤差モデルが追加されます。 (QC 12037):

Phoenixに2種類のSigmaを処理する新しい誤差モデルが追加されます。このオプションを選択する場合、誤差モデルは以下のように表現されます:

observe(CObs = C + CEps * sqrt(1 + C^2 * (MultStdev/sigma())^2))

この表現式はNONMEMにおける以下の誤差モデルと同義です。

Y=E +ERR(1) + E*ERR(2)

 

FOCE-ELSは、Phoenix Modelの母集団モデル解析における初期設定のエンジンとして選択されます。 (QC 12186):

Phoenix 1.4では、母集団モデル解析における初期設定のエンジンはFOCE L-BからFOCE ELSに変更されます。FOCE L-Bは一般的に高速ですが、FOCE ELSは多くのモデル解析において、より頑健性が高く(収束しやすく)、正確と考えられています。 この変更は新規作成されたPhoenix Modelオブジェクトに対してのみ有効です。保存されたプロジェクトを読み込んだ際に、既存のモデルのエンジンの選択に影響を与えることはありません。

 

特定のモデル解析に関係しないワークシートやプロットの出力結果は、予め除外されます。 (QC 12480):

特定のモデル設定に関連しないワークシートやプロットは、出力結果に表示されません。

 

Prediction-corrected VPCが追加されます。 (QC 12493):

Prediction-corrected Visual Predictive Checkを実行するオプションが追加されます。 さらに、Freeze etaオプションは使用機会が無いため、設定画面から除外されています。

 

ラグタイムを解析することを目的として、マルチコンパートメントによるインプットを適用したオプションが追加されます。 (QC 12521):

トランジットコンパートメントモデル解析を実行するステートメントが、PML言語に「transit」の形式で追加されます。 このステートメントにより、吸収の遅れが単純なラグタイムパラメーターではなく、複数のトランジットコンパートメントによってモデル化されます。

 

グラフィカルモデルにおいて、パラメーターがブロックとして挿入された場合、ランダム効果が初期設定で追加されます。 (QC 12622):

グラフィカルモデルにおいて、パラメーターがブロックとして挿入された場合、ランダム効果が初期設定で追加されます。 さらに、ブロックのCの入力は、ワイヤがブロックに接続されるまで構造パラメーターとして表示されません。

 

共変量を補間する「Forward」オプションがテキストモデルでサポートされます。 (QC 12685):

Phoenix 1.4では、covariateステートメントの代わりにfcovariateステートメントを記述することで、共変量の順方向の補間オプションを、カラム定義テキストではなく、モデルテキストで定義することができます。

 

新規作成されるモデルにおいて、標準誤差の算出法の初期設定がサンドイッチ法になります。 (QC 12694):

Phoenix 1.4では、初期設定の標準誤差の算出方法がヘシアン行列からサンドイッチ法に変更されます。サンドイッチ法はより頑健であると考えられます。 この変更は新規作成されたPhoenix Modelオブジェクトに対してのみ有効です。 保存されたプロジェクトを読み込んだ際に、既存のモデルのエンジンの選択に影響を与えることはありません。 Edit | Preferences | Default Templatesメニューを用いることで、ユーザーは独自のモデル設定を初期設定として適用することができます。

 

ヘシアン行列とサンドイッチ法に加えて、フィッシャースコアが標準誤差の算出オプションとして選択することができます。 (QC 12695):

Phoenix 1.4では、ヘシアン行列とサンドイッチ法に加えて、フィッシャースコアが標準誤差の算出オプションとして選択することができます。

 

QRPEMエンジンによる解析を直前の事後分布から再解析するオプションが追加されます。 (QC 12774):

QRPEMエンジンによる解析を、直前の事後分布を初期の事後分布として再解析することができます。これによって、解析を中断された地点から確実に再開させることができます。 ただし、最初の解析の終了後、ParametersタブのAccept All Fixed+Randomボタンをクリックして、最初の解析の推定値を次の解析の初期値として適用する必要があります。そのうえで、Run OptionsタブのAdvancedオプションを展開して、Use Previous Posteriorsを指定し、QRPEMエンジンによって解析を再開する必要があります。

 

新規作成されたPhoenix ModelのParameterizationの初期設定がMicroからClearanceに変更されます。 (QC 12874):

新規作成されたモデルのビルトインの設定において、Parameterizationの初期設定はClearanceに変更されます。パラメーターとしてクリアランスを選択することは生理学的な解釈をするうえで非常に一般的です。


Phoenix Modelにおいて、非ガウス観測値に対するシミュレーションを実行できます。 (QC 13431).

 

排泄コンパートメントの式に、ClもしくはCl*Ge(排泄画分)のどちらかを選択できます。 (QC 13521):

排泄コンパートメントに排泄画分のパラメーターFeを含める新しいオプションが追加されています。このパラメーターは消失クリアランスの乗数になります。

 

VPCにおける層別化変数として、1水準以上の共変量が選択することが可能になります。 (QC 13579):

VPCのRun OptionsタブのStratificationタブにおいて、共変量を層別化変数として3種類まで指定することができます。

 

VPCのビニングの手法として、K-means、Explicit Centers、およびExplicit Boundariesのオプションが追加されています。 (リリースノート記載なし)