製品・サービス紹介

はじめに

WinNonMixの後継として2010年にリリースされたNLME。新薬申請業務にこのNLMEの利用を選ばれた

大塚製薬株式会社 新薬開発本部 開発部 臨床薬理室の金様にNLMEを選ばれた理由についてインタビューをさせていただきました。

 

―まず部署の現状ということで部署の人数やグローバルの部門との関係を含め、簡単にご紹介いただけますか?

 

―はい、臨床薬理室は2001年に新薬開発本部内に臨床におけるPharmacokinetics・Pharmacodynamicsに携わる部署として設立されました。設立当初は,3名でスタートしたのですが,現在では解析部門,測定部門とで合わせて16名が在籍し,男性9名,女性7名です。

平均年齢は30代,全員薬学出身者となっています。

海外では,USの開発拠点に同様の部署が存在しますので,合わせると30人程度が臨床薬理の仕事に関わっています。

 

―お若い方が多いですね。また、担当されている業務の内容についても簡単に教えていただけますか?

 

―日本の臨床薬理室では,治験におけるPKPDに関わる計画と解析,そして次試験のデザインを検討するためのモデル&シミュレーション,申請時の母集団PKPD解析と臨床薬理関連の申請資料作成が主な業務になっています。また,販売後においても,臨床現場から出てくる臨床薬理関連の疑問に回答することも責務としてあり,そのために様々な解析等を駆使することもあります。

臨床の早期のステージから申請まで,広く関わること,また治験の解析から申請資料作成まで,また場合によっては販売後のフォローと多岐にわたる業務範囲のため,非常に多忙な状況です。

 

―その忙しい現状の中で、課題だと思われることはありますか?

 

―部署の課題として,業務が非常に多岐にわたり,多忙なこともあることから,なかなか知識や解析技術を学習する時間がなく,スキルアップのための時間をとれていないことがあります。そのため,できるだけ業務の標準化など,効率を上げることを検討していますが,研究に携わる者として思考を使う部分に重点を置きたいと思っていますので,作業に関しては,質を担保しつつ,できるだけ簡素化出来る工夫をしたいと考えています。

 

―そうですね、業務の中でどのぐらい勉強に時間が割けるかどうかというのは、確かにどの会社でも課題ですね。金様ご自身はどういう経緯でこの薬物動態分野に出会われたのでしょうか?

 

―私自身は薬物動態に出会ったのは大学の研究室でしたが,大学の研究室では,母集団解析ではなく,NCA解析くらいで,研究室の同僚がやっていたのを聞いていた程度でした。実際に母集団解析に触れたのは入社してからになります。その際に使い始めたのは,NONMEMでした。

 

―今回そのNONMEMと同じ母集団解析に用いる弊社のPhoenix NLMEをご導入いただいたわけですが、お知りになったきっかけは何でしたか?

 

―NLMEは学会のPharsightのブースで知りました。

WinNonlinと同じ操作性でモデリング&シミュレーションを行うために必要な機能が備わっており,NONMEMのようにコードを必ずしも書く必要は無く,またモデルの診断に必要なプロットの作成など,NONMEMであれば別途自作のプログラムやXposeのようなソフトを使わなければ出来ないようなこともパッケージになっていることから,比較的手軽であること,また若い人達がモデリング&シミュレーションにトライする敷居を低くすることができるのではないかという点で興味を持ったことを覚えています。

 

―実際のソフトウェア購入に関して一番の大きな動機は何だったのでしょうか?既に知名度と実績のあるNONMEMを利用できる中で新たにNLMEを追加するという選択肢が生まれた理由を教えていただけますか?

 

―購入したいと思った一番の理由は,現在の開発には必須となるモデリング&シミュレーションに対して,経験の浅い人達にも敷居を下げて関わっていけるようにしたい,また思考に業務の中心を移行したいということが一番にあります。

 

―なるほどですね。正直に価格についてはどう思われましたか?

 

―価格に関しては,同じ母集団解析を実施できるNONMEMなどに比べ,正直,決して安い物ではないですが,WinNonlinと同じ使い方で使えるという点や,診断プロット,VPCなど,一つのソフト上で全てこなせる点など,業務の省力化に貢献できる点でコストパフォーマンスがあると考えます。

 

―実際業務のデータをNLMEで解析いただいた所で、今後のNLMEに期待することなど教えていただけますか。

 

今後のNLMEに期待することとして,現在の表などは正直,使いづらいので報告書にすぐ使えるような図表の作成ができるようにOutputに関して工夫,自由度を作ってもらえるとよいと思います。 VPCなども,Xpose*などを参考にもっとフレキシビリティをあげてもらえるとよいかと思います。
 ※Phoenix 1.3よりRを介してXposeの利用が可能な他, PsNのプラグインが追加されています。

 

―こういう機能が欲しいというようなものがありましたら弊社からPharsight社の機能拡張やバグのデータベースにアクセスして改修依頼をしたり、いつ改修されるかのプライオリティなどチェックできますのでこれからもどんどんこのようなご意見をいただきたいと思います。

高度な解析を行うことが前提のソフトウェアなので、弊社もメーカーであるPharsight社もサポートに力を入れているのですが、NLME以外の製品もお使い頂いているので、その他の製品を利用した感想や全体としてのサポート体制について率直な印象をお聞かせいただけますか?

 

―Pharsightの製品に関してのサポートについて,特に日本語でもサポートを受けることができる点は非常に大きなことと思います。細かい点でわかりにくい場合でも,日本語で回答頂けるということは他のソフトに比べてメリットであると思います。WNLに関してはできればもう少し値段が安ければと思いますが,機能としては十分だと思います。PKSはまだ十分使いこなせていないのでメリット,デメリット何とも言えませんが,監査証跡を残すという点で特に有効と思います。

AutoPilotに関しては,業務の効率化に大きく貢献できる物と考えています。一方で出来ればもう少し自由度があるとより使いやすくなると思います。特に図表に関してもう少しユーザーが定義できるようになればより使いやすくなると思います。あと,報告書で使えるようなタイトルも付けて,図表のレポートを自動的に作成出来るようになるとよりよいと感じます。

 

―最後にWinNonlin, NLMEなどでPharsight社はPharmacometricsをサポートする製品やサービスを展開していますが、大塚製薬様における今後の活用方針などありましたら教えて下さい。

 

―今後,医薬品の研究開発を行う上でPharmacometricsを利用することは必須のことだと考えています。しかしながら,まだ弊社内では経験が少ないことやプロジェクトチームや他部署の人の認識も決して高くないことから,できるだけ積極的にアプローチしていく努力を行い,経験及び実績を積む必要があると考えています。そのためにもNLMEを積極的に利用し,多くの室員にチャレンジして欲しいと考えています。

 

―ありがとうございました。(インタビュー:藤田)

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。